< 簡易解説 >
不景気だと投票率は下がります。
投票率の変化をもたらす要因 ―投票参加の時系列分析― 飯田 健
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaes/25/2/25_107/_pdf
以下は投票率ではなく、投票率と連動している潜在変数とのことです(引用論文中の分析)。投票率が「高いのか」「低いのか」がわかります。
国家予算と投票率の関係です。国家予算が多いほど、当然景気は良くなります。
しかし、1年で国家予算が30%も増え続けるような、戦後の復興期は極端なので、それを除外したものが以下の通り。
除外しても、傾向は引き継がれます。国家予算が毎年10%以上増えていれば、60%以下の低い投票率はありませんでした。
< 小選挙区制は死票を圧倒的に増加させる >
言うなれば、民意の切り捨てです。
なぜ死票が激増したか?それは、小選挙区制では、1つの区で一人しか当選しないため、2位以下の投票が全て無駄になるからです。激戦区ほど、死票が多くなります。
< さらに議席も歪ませる小選挙区制 >
投票されたうちの4割しか受け取っていないのに、議席は8割を独占します。
Wikipedia中選挙区制より下記グラフ
逆にいえば、少数政党は議席が得られず、さらに国会で意見が圧殺されることになります。得票率=国民の信託があるのに、国会でさらに切り捨てられるわけです。
以下、小選挙区制のWikipediaにも書いてあることです。日本でなくとも小選挙区制の弊害は充分に知られています。
この結果、保身を考えるなら、議員は与党や最大野党に集まることになります。議席がないからです。そして2位政党の中身がアレだと、与党の安定につながります。プロレスごっこと揶揄されても仕方ないわけです。
< そして圧倒的に高すぎる、世界一高額な日本の供託金 >
自民党が庶民を選挙に出したくないのは明白です。
供託金の推移 Wikipediaより。1975年には既に世界最高峰の供託金となり、その後も増え続けました。
以上、自民党の行ってきた選挙改革です。供託金を上げて出馬を抑制し、小選挙区にて死票を激増し、得票率以上の議席を独占する。不景気も続け、投票率自体を下げて、組織票を強くする。これが20年以上続いています。さらに
< 本当に選挙を改善したいならば、外国に習うことはいくらでもある >
以下、以前の私のブログ記事になります。投票率が80%以上の国はたくさんあります
投票率が100年間90%のオーストラリア ~ 景気と選挙の関係 ~
https://ameblo.jp/tasan-ame/entry-12574609418.html
オーストラリアはフェスに罰金に、死票を少なくする投票制度も考えれています。その結果が100年間90%という結果です。やろうと思えば日本がすぐ実行できることもたくさんあります。
< 出典 >
総務省、国政選挙における投票率の推移
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/ritu/index.html政府歳出@財務省、第1表明治初年度以降一般会計歳入歳出予算決算(エクセルシートの途中で金額単位が変わるので注意)
https://www.mof.go.jp/budget/reference/statistics/data.htm
0コメント