< MBを増やせばMSが増えるか? >
これは、言い換えれば、日銀が国債の買い取りを増やせば、民間経済のお金の総額も増えるか?という話です。→増えません。
なぜこんな話をするかといえば、これは2013年の安倍政権当初、リフレ派と呼ばれる経済学者が言い出したからです。「MBを増やせばMSも増えるのだ!」
しかし、現実は見ての通り。図を見ると、1993年、もしくは2000年までは連動しているように見えますが、2000年以降は合わないことがはっきりしました。
つまり、条件付き連動です。MSが地に落ちてからが怪しいです。MSが地に落ちたということは、GDPなどもゼロ成長になったということで不景気です。
不景気では、商品が売れませんので、設備投資をして、商品をもっと生産しようですとか、店舗をもっと増やそう、とはなりません。
つまり、お金が借りる人はいないので、銀行の貸付が増えません。
さらに、グラフにゼロ金利政策とあります。お金を借りる金利をほぼゼロにしたので、借りやすくなりましたが、それでも不景気には変わりありませんので、やはり貸付は増えません。
< MB→MSの流れを、もう少し詳しく追うと >
日本銀行が国債を買って、お金を作り、相手の口座に振り込むことで、MBの総額を増やします。
1.相手が政府だった場合は、
すぐに財政出動に使われ、入札を通して、私たち民間の売上になりますから、民間経済のお金の増加に繋がり、マネーストックが増えるのは確実です。◎
2.相手が銀行だった場合は、
それが民間人に貸し出されないと、庶民のお金になりません。△
私たちが銀行を通してお金を借りると、私たち民間の口座にお金が入るので、それは民間経済のお金の増加であり、マネーストックの増加になります(借金返済すると元に戻りますが)。 しかし、
私たちは景気がよくないとお金を借りません。つまり「景気回復が前提」なのです。
景気が良くなる、民需が増えるのはどんなときか?
不景気には、政府が財政出動を行い、民間の売上を維持せよ、というのが中学生の教科書にも書いてある王道の経済政策、ケインズ政策であります。で、日本の政府支出と民間需要を見てみると、そもそも民需は政府の支出次第であると、はっきりわかります。
日本銀行、時系列統計データ検索サイト、通貨量
https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html
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