政府支出と人口

< 簡易解説 その1 >

国家予算が増えていくと人口は増えます。そして現在の減少率は120年で最悪です。

拡大したものは以下の通りです。戦前については、グラフ的に見ると、下がり始めで火を入れると、その後数年に渡って安定する様子が見受けられます。戦後の現在は安定して連動しています。

戦前については、1905年あたりは日露戦争に韓国の併合などがありました。1914には第一次世界大戦、1918年にはシベリア出兵、1923年には関東大震災と、激動でお金を使っていました。

< 散布図にしてみる >
1941年は大東亜戦争が始まった年です。それを除き、最低ラインで見ても右肩上がりです。

しかし政府支出40%以上などは戦時で極端なので、それ以下を拡大すると

こちらでも似たような傾向でした。これより、政府支出は毎年5%以上あった方が、人口増加の低い可能性が消える、と考えられますね。

ちなみに、戦前と戦後で分けると、まるで違う動きをしています。注意。

これは、国難で国家予算の増額があり、好景気になり、1ランク上の生活になった結果、結婚や出産で人口が増加しました。しかし、事が済めば国家予算の増率は下げていったので、このようなグラフです。

毎年の増額を止めるだけで、一度増加された国家予算を減らすわけではないです、生活は豊かになりました。そして以下は戦後。

所得倍増計画時は、国家予算10%以上のテコ入れをずっと行っていたので、安定し続けました。しかし、テコ入れされている状態が普通であったために、それが外されたためか?止めると同時に、急激に減少していきました。最初のグラフを見てもわかる通り、かなり当てはまりがよいです。

そして、それだけわかりやすいにも関わらず、その後は一度もテコ入れされず、人口減少は最低値を更新。

なお、なぜ戦前と戦後でグラフの性質が変わってしまったのかはわかりません。とにかく言えることは、統計はやはり長期で見ましょう、過程も見ましょう、相関だけで見ない方がよい、多角的に見ましょう、ということです。また、経済指標は連動するものが多いので、他とも合わせて見ましょう。以下など合わせて見ていただければわかりやすいかと思います。

しかし、どちらにせよ、国家予算が増えることで人口が増えてきたことには変わりません。

< 補足 >

上記で見てきたように、日本だけでみれば、お金と人口にはある程度関係があるように見受けられます。しかし、世界で見ればそうではない、という人もいます。
 しかし、私個人的には、文化も生活習慣も違う人々を混ぜるべきではない、と考えます。選挙の速報が少ない統計から出るように、日本の人口も世界から見れば十分な数でしょう。実際、日本の規模で充分マクロ指標は現れてきます。

 とはいえ、そういった細かいことを論じる気はなく、要するにわかっていればいいのは、お金があれば人口は増える傾向がある、この1点だけで充分ではないかと思います。

< 捕捉 その2 >
なお、さらに長長期の人口推移についてはこちら

元データは不連続なので、軸を調整して、5年で何%増えたか?のデータにしたのが以下になります。

平均増加率の区間は、あくまで平均なので、実際は上下があります。しかし、戦後を抜きにすれば、データで確認できる上では、現代の人口減少は過去1000年以上で見ても最悪です。

1700年あたりにも、ガタ落ちしている期間がありますが、ここでは享保の改革がありました。これもまた、財政を気にした時期です。年貢を上げ、増税し、見ての通り、人口増加が停滞し、一揆の回数が享保年間で177回起こったそうです。

享保の改革ってなんのこと?
http://www.japanserve.com/nihonshi/n-reki-050-kyouhounokaikaku.html

なお、この頃は小判などの貴金属経済であり、経済指標は前年比で指数的に増加していくのに対し、通貨を指数的に増やすことは、次の理由で物理的に困難でした。

1.まず貴金属を集める手間があること

2.金属を加工する手間があること

これを解消するには、明治政府となり、坂本龍馬、由利公正らが、太政官札を行い、紙幣を社会に浸透させるまで待つことになります。貴金属経済から紙幣経済になることで、通貨発行が容易くなり、指数的増加に追いつくようになりました。それはつまり、太政官札による多額の財政出動であり、その結果、文明開化となりました。

なお、明治政府の前、江戸幕府が倒れたのも、結局はその転換ができなかったための財政危機でした。それ以前の享保の年代でも、価値観の転換ができなかったために、民に増税を仕掛け、財政難を乗り越えようとしたのだと考えられます。

対して現代は、物理的にお金を印刷するどころか、電子的に増やすことができます。口座に記帳するだけです。お金がない、というのがおかしいのです。日本円を作っているのはどこでしょうか?


< 出典 > 

政府歳出@財務省、第1表明治初年度以降一般会計歳入歳出予算決算(エクセルシートの途中で金額単位が変わるので注意)
https://www.mof.go.jp/budget/reference/statistics/data.htm

人口、婚姻率、出生率、合計特殊出生率@厚生労働省、人口動態統計(サイト一番下の統計表(P42~56)) 
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html

国勢調査による人口@総務省統計局(サイト一番下、統計表、参考表2https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2019np/index.html#a05k01-b

国土国通白書2014、1部1章2節-1、図表1-2-1 我が国人口の長期的な推移(データ)

https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h25/hakusho/h26/html/n1121000.html

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