日本銀行と国債

< 簡易解説 >

日本銀行はお金を作っているところです。そして、その無限の購買力で国債を買っており、総資産のほとんどが国債です。特に、2012年の第二次安倍政権からは、100兆円から500兆円と、一気に5倍になりました。

総資産のほとんどが国債(赤が総資産、ピンクが保有国債)。

普通、あなたが株を買うとき、口座にお金を入れておいて、振り込みしますよね。しかし、日銀には貯金のような手元資産はありません。言うなれば、国債を買う瞬間にお金を作って、相手の口座に振り込んで、国債を買っています。

相手としては、通帳に印字されていれば、お金が入った、と認識します。そしてその通帳は日銀通帳なわけです。だから、日銀が行ったことは、自分の銀行内のお客さんの口座に数字を入力しただけです。こうして日銀買い物と引き換えにお金が作られます。

というわけで、国債が増えれば、相手の口座に、同額のお金が振り込まれるので、日銀がお客さんから預かっている預金(負債)も、一緒に連動しています(オレンジ)

この、日銀が国債を買う行為を、買いオペと言います。買いオペレーション、つまりただの買い作業です。こうして日銀は、国債購入を通して、政府に、民間にお金を出しています。


< 日銀はなぜ国債を買うのか? >

< 1.そもそも日銀は最初からなかった >

日銀は1882年に政府から分離しました。つまり、それ以前は政府が自分でお金を作っていました。貨幣鋳造などで、小判に含まれる金の含有量を調整していたなど有名です。


< 2.政府は日銀を機能分離したことで、日銀からお金をもらうようになった >

ここで、オンラインゲームの例え話をしましょう。運営はゲームマネーならいくらでも作れますね。しかし、いくらでもお金をばらまいたら、プレイヤーにお金が有り余り、いくらでもアイテムを買えてしまいます。よって、価格を上げて調整します。この繰り返しとなります。これが過度なインフレです。ほどほどが良いわけです。

よって、運営から財政局を分離します。運営の担当者が、お金をバラまきすぎないように、権限を分けた、ということです。イベント予算などがほしかったら、財政局に小遣いを要望するわけです。

これが、政府がお金をほしかったら日銀に要望する小遣い制と同じです。この制度をさらに進めて「現金交換券」を政府は作りました。日銀に持っていけば、現金に交換してもらえます。これが国債です。


< 3.政府は国債を作り、お金がほしかったら、日銀と交換するようにした >

交換するようにした、というか、日銀に国債を買ってもらうようにした、というのが正解です。これがそのまま、買いオペですね。政府が財源がほしかったら、国債を発行して、日銀に買い取ってもらえばいい、とはこのことです。

そしてその後、国債を民間人も買えるようにしたのが国債市場です。私たち民間サイドも国債を買えますが、もともとは元のついでであり、本質ではないのです。


< 4.運営はプレイヤーに平等にお金を配りたい >

引き続き、例の話をします。そうして、運営はプレイヤーにお金を配りますが、プレイヤーでも当然、お金稼ぎの上手い下手があります。なので放置してしまうと、1割のプレイヤーが9割の資産を持ってしまう、という状況も起こりかねません。

収益構造を改善しない限りは、運営がお金をバラまいても、9割のプレイヤーに、1割のお金しか届きません。かつ、バラマキ過ぎて、インフレが起こり、1割のプレイヤーはお金がないので、余計に商品が買えなくなるかもしれません。

これでは、多くのプレイヤー離れを招き、ゲームが過疎ってしまいます。つまらない、となり、他のゲームに人が移ってしまうでしょう。これが現実なら、飢えに苦しむ貧困となります。または外国への移住や難民となりかねません。


< 5.1.だから再分配がある >

お金のあるところから、ないところへ分配するのが再分配です。よって、再分配の基本は累進性となります。現実でいえば、所得税や法人税です。間違っても消費税ではありません。消費税は逆進性で真逆だからです。

よって、所得税や法人税を減らし、消費税を増やす消費税シフトは大いなる勘違いです。マイナスの消費税ならば、逆・逆進性となり、累進性となるので有効ですね。

また、単純には、消費税は安定財源と言いますが、逆に言えば、凶作でも年貢一定です。悪名高い人頭税と同じです。スピード違反したら罰金だから、スピード違反は抑制されますが、消費をしたら罰金なのが消費税です。日本が民間需要を増やしたいのならば、消費税は撤回するか、マイナスにすべきです。


< 5.2.だから国債を民間に販売して、余ったお金を回収する >

富裕層がお金を余らせていて、株式投資や土地投資などで、投機バブルを引き起こさないように「そのお金で国債を買いませんか?」とします。

そうして、運営は財政局に新しい予算をもらうことなく、民間の余ったお金を財源に使うことができます。その余ったお金というのも、もともと運営がばらまいたお金ではありますが。

国債は満期になったらお金を返すので、普通の国なら、ある程度インフレが進んでいるので、大したお金にはなりません。でも余らせているお金を活用するには、富裕層からしても、大量に買えて良いわけです。


< まとめ >

以上、日本銀行が国債を買っているお話でした。では、日本銀行がこれだけ国債を買っていれば、政府の財源は充分潤ったのか?というと、そうはなっていません。


日銀が国債を買い取れど、その国債は、政府の新規国債ではないからです。詳しくは次の2つのリンクをご参考下さい。

< 出典 >

日本銀行の資産・負債@日本銀行、時系列統計データ検索サイト、通貨量 BS01日本銀行勘定

国債保有率の推移@日本銀行、時系列統計データ検索サイト、通貨量 FF資金循環の年次ストックhttps://www.boj.or.jp/

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