マネタリーベース

< マネタリーベースとは何か? >

私たちは銀行にお金を預けていますが、銀行は、銀行の銀行である日本銀行にお金を預けています。それをMBマネタリーベースと言います。

なお、日本銀行に口座を持っているのは政府や銀行、そして日本銀行自身です。私たち民間人は日本銀行に口座を作ることはできません(持っている人いませんよね?)。

というわけで、日本銀行の総資産(日本銀行に入っているお金の総額)とマネタリーベースはほとんど同じです。

ついでにオレンジで日銀の預り金(負債)も入れると、大半を占めるとともに、同じ動きをしていますね。

さらに、日本銀行の保有している長期国債も加えると以下の通りです。

見ての通り、日本銀行の資産の中身はほとんど国債です。(負債のほとんどは預り金)。

これは、日本銀行のお仕事は、国債市場から国債を買い取り、お金を増産することだからです。買った代金の支払いのお金が、相手の日銀口座に入金されるから、結局日銀の預り金(負債)が増えているわけです。

経済は前年比で倍々に増えていくので、ここでお金を作って放出しているわけですね。


ちなみに、どうして日銀がお金を作れるのか?それはそもそも日銀が政府から、1882年に分離したからです。

まだ100年ちょっとです。それ以前は政府がお金を作っていました。太政官札しかり、小判などの貨幣鋳造しかり。

そして現在は、政府はお金が欲しい時は国債を発行します。それを国債市場に登録して、日銀に買ってもらいます。日銀サイドからすれば、国債市場に登録された国債を買います。それで、相手の口座にお金を入金(入力)します。これで、お金と国債の交換は完了です。

つまり、国債は政府が作れるただの紙切れ。ただの現金交換券です。好きなだけ作れる肩たたき券と同じようなものです。金作りの権能を日銀に託し、分離したから、ひと手間かけているわけですね。


そしてそんな国債を、民間が買えるのはもののついでです。もともと国債市場は恒常的に開かれているわけではありませんでした。


なお、民間に国債を販売するメリットとしては、金持ちの余ったお金を吸収して投機を抑制したり、安全資産として需要があります。また日銀が買うと通貨発行になってしまいますが、民間が買えば、そうはなりません。つまり、円安にならない、という性質があります。


これは、中央銀行が国債を買ってばかりいると、円安になりやすく、通貨安競争を仕掛けているのか?と外国から見られる可能性もあります。とはいえ、円安になるかどうかは、他の通貨との兼ね合いになるので、一概には言えません。


マネーストック@日本銀行、時系列統計データ検索サイト、通貨量  
https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html


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